NUSアラムナイとの会合@BKK

先日のクラスメートとの会合に引き続き、タイに日本人のNUSアラムナイ(卒業生)がいることが判明したことから、早速紹介してもらいました。入学前のネットワーキング第二弾。

もともとタイに日本人のNUSアラムナイの方がおられるのではないかと感じていたのですが、それは私がMBA受験にあたりNUS MBA受験生ブログを漁っていた時に、このブログ(http://ky1983.blog102.fc2.com/)にたどり着いていたからです。

ただ、まだタイにおられるかどうかもわからずコンタクトできるとは思っていませんでした。ところが、タイでビジネスをされている方々との会合(その会合でピータックを拝命いただいたのですが)でNUS MBAへの進学を報告した際、日本人アラムナイがタイにいることを教えてもらい、まさに私がブログを拝見していたその人だとわかり、早速お会いさせていただくことになりました。

ブログの情報によると、ブログの「若造」さんは、①ピータックより一つだけ年齢が上であること(これはブログの1983から1983年生まれであると推察)、②タイでファミリービジネスを引き継がれたこと、から非常にやり手の実業家の方を想像しており、お会いした際に「ピータックが手厳しく指導を受ける」という構図を想定していたのですが、「若造」さんは非常に心優しい兄貴でした。キャリアやビジネスの話だけでなく、趣味の話でも盛り上がり、焼き鳥屋2軒(あぶり石田Kelly’s51)を梯子して、あっという間にお開きになってしまいました。

初対面にもかかわらず非常に盛り上がり(これが同じMBAを目指した絆なのかと実感)、様々な話をしたのですが、そのなかで特に若造さんからの印象に残った問いがありました。それは、「もし誰かに<人生で読んでおくべき本>として3冊おすすめするのなら何の本を薦めるか」というものでした。その問いをきっかけけにお互い色々と読んだ本を情報提供しあったのですが、だいぶ酔いも回っていたこともあり、改めてブログに紹介した3冊を載せて、若造さんに共有することにします。

鷲田清一「じぶん・この不思議な存在」

一冊目はいわゆる哲学書の入門書ですね。はじめて鷲田さんのこの文章を読んだのは浪人時代の代ゼミ大阪南校の授業でした。いわゆる自分論というもので、「<じぶん>というものは何によって定義づけられるのか」という、「哲学者が本気で「自分探し」をやってみた」ものですが、自分の考え方や世界の見方を始めて問い直すきっかけになり、はじめて「学問」及び「学ぶ」楽しさに触れた契機となった書籍です。京都市立芸術大学の学長となられていた鷲田さんの入学式辞も一読の価値ありです( https://www.kcua.ac.jp/entrance_celemony_2018/ )。ちなみに、ここでの「芸術家」は「起業家」と置き換えても全く違和感なく受け取れます。

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

二冊目は大学時代に小説を乱読していたなかで、最も人に薦めることが多かった小説です。井坂幸太郎の気障ともとれる「らしさ」が十二分に楽しめる小説になります。スタイリッシュな文体が、大学時代の憧れていたいわゆる「飄々とした」行きかたと重ね合わせていたんだと思います。この映画もよかったですね。

村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

三冊目は村上春樹です。大学時代の後半、就職活動真っ盛りの時期に現実逃避もかねて、村上春樹を「風の歌を聴け」から順に読み始めたのですが、この小説を契機にハルキワールドに没頭したのを覚えています。河原町から梅田に向かう 阪急電車の中で友達に薦められたアイリッシュジャズを聴きながらこの小説を読んでいると、ひどい没入感を得られたのを覚えています。なお、村上春樹でもう一冊おすすめしたのは「国境の南、太陽の西」ですね。これは、彼の小説内で初めて、主人公が企業経営者になる異色の書です。実際、ジャズバーを経営していた村上春樹の経営哲学のようなものが味わえるもので、王道ではないなかもしれないですが、特に店舗経営を学ぶ人にとっては一読の価値ありです。

こんな感じで本のおすすめをして気付いたのが、おすすめ出来る本が学生時代に出会った本ばかりであるということ。社会人になってからもちょこちょこ本を読んでいたのですが、仕事に関係あるものを読むというような、芸術的に言えば不心得な読みかたをしているということもあり、またそれ以上に自分の感情が芸術を感じる瑞々しさを失っているということもあり、新たな感動を得られていませんでした。今回、学生に戻るにあたり、「自分の精神に潤いを取り戻すこと」も目標に掲げ、いろいろと挑戦したいと考えており、ブログもその一つの試みです。人前で表現をするというのも、学生時代は恥ずかしげもなく出来たことなのですが、徐々に心理的ハードルが大きくなってきて、なかなか自己表現の機会もなくなってきていたので、この機会にアニマルスピリットを取り戻したいと思います。

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