Covid-19との合戦@バンコク

Covid-19が増殖している。
人間が作り上げてきた社会や制度をあざ笑うかのように増殖・感染を繰り返しており、社会を混乱に陥れている。タイでもすでに非常事態宣言が発令(3月26日)され、バンコクの街並みはすっかり変わってしまった。

・飲食店等の閉鎖
非常事態宣言の前後から飲食店はすべてテイクアウト・デリバリーのみになってしまった。仕事前に寄っていたビル内のカフェ(Dean&Deluca)も、ランチで利用していたレストランも仕事帰りに寄っていたプロンポン駅上のコワーキングスペースや日本食レストランもことごとく店舗営業を停止しており、多くの人が行き場所を失ってしまっているようだ。
そんな中、自分としてはやはり、カフェやコワーキングスペースの閉鎖は最も痛手であり、様々な作業が出来なくなってしまった。ただ、その悩みも次の項目でほぼ用なきものとなってしまうのだが。。

・在宅勤務の増加
私の勤務先でもタイ駐在員が本邦従業員に先んじて在宅勤務を輪番制で始めており、IPadと携帯電話の貸与のみという少し貧弱な装備でなし崩し的に在宅勤務が始まった。在宅勤務を始めた当初はコワーキングスペースでの勤務も少ししてみたが、感染の拡大とともに”stay at home”を心がけるようになり、自宅での勤務に切り替えた。最初こそ、学校閉鎖でずっと家に閉じこもっている子供達がちょっかいをかけてきて仕事にならなかったものの、ようやく“在宅勤務”らしくなってきたように思える。
また、通勤時間が無くなったりすることである程度時間をとれるようになってきたことから、英語の勉強の気分転換に読書を開始。手始めに、日本から持ってきたものの積ん読になっていたジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」を開始。病原菌がどのように人類史に影響を与えたのかをテーマの選書であり、まだ第2章の途中であるが、「資本主義による各国独自文化の蹂躙」という我が駐在期間で自分の心をざわつかせたテーマを想起させるようになってきた。この話は長くなりそうなので、読了後にまた別記事にて書くことにしよう。

・ASEAN各国の影響
「ASEAN各国の中小企業支援」を生業としていることから、タイだけでなく他のASEAN各国との関係性から生じるタイの影響は看過できない。ASEAN内で最初にロックダウンに踏み込んだマレーシア(3月18日~)では医療に従事する僅かな企業を除いて、ほとんどの企業が事業停止となった(ちなみに、首都マニラをマレーシアより先に閉鎖したのはフィリピン: 3月15日~ )。すでにASEANの生産拠点としての役割をタイ・インドネシア・ベトナムに譲り渡しつつあるマレーシアではあるが、いまでも電気・電子部品やゴム製品、樹脂材料の主要供給地となっており、ここからの材料供給停止はタイ・インドネシアの自動車・二輪・電気電子産業に大きなダメージを与えつつある。ただ、両国においてもそもそも国内販売台数の伸び悩みや欧州向け輸出ストップによりいつまで生産が継続するかは不明瞭である。
<自動車>
トヨタ(タイ):生産停止4月7日~17日
ホンダ(タイ):   同3月27日~4月30日
  同(インドネシア):同4月13日~(約2週間)
AAT:マツダ・フォード合弁(タイ)
       :    同3月28日~4月19日
三菱(タイ):同4月1日~26日
日産(タイ):    同4月3日~5月3日
 同(インドネシア):すでに完成車生産停止済み
日野(タイ):    同4月7日~4月17日
いすゞ(タイ):   同4月13日~4月30日
スズキ(タイ):   同4月6日~4月28日

・NUSの方針
非常に厳しい入国規制を実施しているシンガポールではあるが、いまだ学校は継続されている。学校はクラスターになっておらず、学校を閉鎖すれば多くの家庭で仕事に行けなくなることになることを懸念してのこと。
MOE(教育省)よる説明は以下の通り。

Why not close schools when DORSCON was changed to Orange?
(なぜDORSCON(感染警戒レベル)がオレンジに変わったのに学校は閉めないの?)
DORSCON Orange means we need to take more precautions, because there are now a few cases of community spread. In fact, many of the measures schools have taken are already DORSCON Orange measures.
Closing school will disrupt many lives. We don’t rule it out when required, but it is a major, major decision.
One thing to consider is that even if all students stay at home, there is no guarantee against infection. Lots of infections happen at home actually. It is also unrealistic to expect older kids to stay at home. They will go out and inter-mingle.
On the other hand, in schools, we have suspended large gatherings to reduce inter-mingling drastically. There is also a tight regime of personal and group hygiene. Should there be wide community spread, which we hope will not happen, schools can be one of the safest places in Singapore against the COVID-19 virus.
We will continue to monitor the situation closely, in the best interest of our students.

(MOEホームページより)
https://www.moe.gov.sg/faqs-covid-19-infection

かかる状況下、NUSはテストをオンラインに切り替えるなどの対策をしているものの(このテストでカンニングが見つかった等のニュースがあった笑)、NUSは授業を継続しており、NUS側もなるべく平常通り授業は7月末から開始する意向。ただ、国によっては学生ビザを取れない、入国できない学生がいることにも配慮しており、そうした学生にたいしては、①一年の入学延期、②支払い済みの入学費用の返済(入学のキャンセル)のどちらかを認める方針。
ただ、自分のようにすでに退職を決めている学生もおり、WhatsApp上のグループでは様々な議論が交わされている。自分もなるべく負けないように意見を放り込んでいくが、コロコロ変わりすぎて追いかけるだけでも大変だ。
⇒残念ながら、 4月3日夜に 学校もすべてオンライン授業となってしまいました。

自分としてのベストシナリオはもちろん通常通りの開始であるが、授業が始まったところで大半がオンラインということであればMBAの良さは半減するため、開始を遅らせてでもベストな状態で開始してもらいたいと思う。ただ、遅くなればそれだけ無職期間が延びるための、食い扶持を稼ぐための手段を何らか見つけていけないだろう。上司からは、「今からでも退職取り消しをすればいいんでは?」と言っていただいているが、そこには逃げ込みたくない気持ちが強い。

※前回までの「です、ます」から、今回は断定調に変えてみました。自分の感想のようなエッセイ文体であれば「ですます」の方が書きやすいのですが、今回のような内容だと断定調の方が書きやすい。今後、どうしていくかは要検討。。